前回までの投稿の作業を実施すれば、Dynamics CRMは利用可能である。
ここでは、いわゆるチューニングというようなものに位置づけられる設定に関して記述する。
以下のサイトが非常に充実していると思う。これらを実施すればいい。
ただ、実践的な観点から言うと、何かを実施すればその根拠や効果の説明が必要となる。
いずれにしても工数がかかる。できるのであれば効果がない(薄い)ものや説明がし難いものは実施したくない。
そこで私が有効であると思っているものだけ取り上げてみる。
①IISに関する設定
体感的にレスポンスアップを感じるレベルの設定である。
認証時に401エラーを発生させる通信を制限させる設定である。
この意味合いや効果に関しては下記を一読頂ければわかるかと思う。
http://blogs.msdn.com/b/crmjapan/archive/2012/03/02/how-to-decrease-401-responses-in-crm-web.aspx
設定方法
crmdom\crmadminでCRMAPサーバにログインする
コマンドプロンプトを管理者として起動して、「C:\Windows\System32\inetsvr」に移動
「appcmd set config /section:windowsAuthentication /authPersistNonNTLM:true」を入力してEnter
②SQL Management Studioでの設定
3つ紹介する。両者ともの手動でのCRM操作レベルではあまりレスポンス改善がされないと私は感じている。
大量処理や一定のケースで効果を発揮するものかもしれない。どれもSQL DB一般での設定である。
1つ目は「MAX DOP」である。
解説は下記がわかりやすい。
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0701/17/news131_3.html
実際の設定は下記
crmdom\crmadminでSQL Serverにログインし、SQL Management Studioを起動する
[オブジェクトエクスプローラー]最上部のサーバ名を右クリックし、[プロパティ]をクリック
[ページの設定]から[詳細設定]をクリックし、[並列処理の最大限度]の値を「1」に変更して[OK]をクリック
2つめは「tempdbの分割」である。
解説は以下がわかりやすい。
http://blogs.msdn.com/b/jpsql/archive/2013/01/17/do-s-amp-dont-s-17-tempdb-cpu.aspx
実際の設定は下記
crmdom\crmadminでSQL Serverにログインし、SQL Management Studioを起動する
[データベース]>[システムデータベース]から[tempdb]を右クリック[プロパティ]をクリック
[ページの選択]から[ファイル]をクリック
CPU数と同じになるようにtempdbを作成する。※以下は4CPU(4Core)の場合
3つめは「初期サイズの変更とMB単位の拡張」である。
解説は以下がわかりやすい。
実際の設定は下記
crmdom\crmadminでSQL Serverにログインし、SQL Management Studioを起動する
対象はCRMの組織DB(CRM_MSCRM)、コンフィグDB(MSCRM_CONFIG)、tempdbである。
2つめの画面と同じ箇所で、[初期サイズ(MB)]を自動拡張が発生しないようなサイズに変更し、
[自動拡張/最大サイズ]は%ではなく、MBで指定し、無制限にしておく。
③メンテナンスジョブの実行時間変更
Dynamics CRMをインストールするとメンテナンスジョブが作成され、定期的に実行される。
実行時間は夜間など、サービス時間外(に順ずる時間)にしておくべきである。
これに関してはツールが存在する。
http://crmjobeditor.codeplex.com/releases/view/117948
利用方法に関しては下記が分かりやすい。※exeの保存先に注意
④[最初に行う設定]を表示させない
チューニングではないが、初期設定の一貫で。
Dynamics CRMサイトへの初回アクセス時に、[最初に行う設定]という女性の画面が表示される。
閲覧する必要性はほとんどないため、非表示にするようにする。
crmdom\crmadminでCRMサーバにログインし、レジストリエディターを起動する
「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\MSCRM」に移動する
[MSCRM]右クリック[新規]>[DWORD(32ビット)値]をクリック
以上。