実践 Dynamics CRM環境運用 (1) バックアップリストアの考え方

新しいテーマとしてバックアップリストア関連に関して記述を行う。

一般的な環境の復元計画という範囲に留まらず、マルチテナント機能を利用したデプロイに関しても記述する。

 

まずは一般的な復元計画である。

Dynamics CRMのバックアップリストアに関して、このシステム独特の考え方というものはほぼない。

一般的に行われているWindows系データベースシステムと同じように考えればよい。

ここでは「一般的」を以下のように定義して記載したいと思う。

 

Dynamics CRMアプリケーション及びデータベースの単一障害からの復旧計画

具体的には、サーバ全体を取得するボリュームバックアップと

データベースファイルバックアップの組み合わせによる復元計画である。

Dynamics CRMの画面が起動しない、データベースアクセスができないというような現象の理由が

Dynamics CRMアプリケーション及びデータベースに関わる障害であるという場合に

バックアップ取得時点のデータを利用してアクセス可能な状態に復元する方法とする。

 

さらに以下のケースは対象外とする。

①Active Directoryの異常

②CRMインストールで作成されるDB以外のDBの異常

①に関してはもっとシステム全体で検討するべき課題であるためである。

Dynamics CRMがADの障害を発生させる可能性は低く、また発生させたところで

Dynamics CRMでのみ計画された復旧計画によって復元してよいものではないためである。

②に関してはデータベースバックアップファイルからの復元という方法をここではとらないためである。

②で想定されるのはmaster、model、msdbのシステムデータベースやReportServerデータベースである。

システムデータベースを復元するようなケースはSQL上大きな問題を抱えているケースが想定される。

この場合はスナップショットバックアップから復元することが早期復旧につながると考えられるからである。

また、ReportServerデータベースはレポートエンティティに関するデータのみに利用されている思われる。

レポートエンティティはレポートを表示するためのレポートファイルのいわゆるアップロード先のようなイメージで

利用され、このエンティティのトランザクションはきわめて少ないのが一般的である。

よって、解説を割愛する。基本的にはバックアップファイルを取得して復元すれば問題ないし、

これで解決できないのであれば、レポートファイルを再アップロードするなどを行えばよい。

 

さて、前置きが長くなったが、本題に入る。

まず、ボリュームバックアップについてである。

・Windows Server バックアップ

・仮想ホストのバックアップツール

・サードパーティのバックアップソフト

何を利用してもよいと思う。DBを含め丸ごと取得することが推奨である。

ここではWindows Server バックアップの概要だけ記載する。

以下の手順が必要となる。

・Windows Server バックアップ機能の有効化

・Windows Server バックアップのスケジュール設定

手順の詳細は下記のWindows Serverバックアップ関連の記述が分かりやすい。

http://naonao71.wordpress.com/

最後にバックアップ時間だけコメントしておく。

バックアップ時間はネットワーク状況、H/Wリソース、ファイルサイズに依存すると思われる。

・仮想環境(標準のギガビット)で特別なネットワーク負荷がかかっていない状況

・CRMサーバは4Core、8GBメモリ

・ファイルサイズは30GB程度

この場合は30分程度で別筐体へのバックアップが完了した。

 

次にデータベースバックアップである。

・SQL Server Management Studioでのバックアップ

・サードパーティのバックアップソフト

などが考えられるが、前者に関して記載をする。

理由はないが、手元で実行できるためである。

SQL Serverエージェントを利用した日次フルバックアップとしてみる。

バックアップする必要があるデータベースは以下である

・MSCRM_CONFIG

・XXX_MSCRM

※テナント数分存在。XXX部分はテナント名

 

SQL Server Management Studioを起動し、crmdom\crmadminでログインする。

[CONFIG_MSCRM]を選択し、右クリック[タスク]>[バックアップ]をクリック

20140805_011

バックアップファイルの保存先を指定する。

[バックアップ先]>[ディスク]にチェックをいれ、[追加]をクリック

20140805_013

[…]をクリック

20140805_014

バックアップ先を指定し、[MSCRM_CONFIG.bak]など名前をつけて[OK]をクリック

※ローカルのディレクトリにしかバックアップを取得することができないため、

別筐体への保存が必要な場合はコピーを行うようなbatファイルを作成し、

スケジューラーで実行するなどの処理が必要と思われる。

20140805_015

次にバックアップファイルの保存オプションを設定する。

[オプション]をクリックし、[メディアに上書きします]>[既存のすべてのバックアップセットを上書きする]

にチェックをいれる。

これは非常に重要な設定である。デフォルトは[既存のバックアップセットに追加する]である。

この設定は名前のとおり、ファイルが追加される。Dynamics CRMの組織DBのデフォルトサイズは

280MB程度であるが、これが毎回追加される。設定を間違い、数ヵ月後にディスクがいっぱいとなって

CRMに接続できなくなるというようなケースは数回立ち会ったことがある。注意が必要である。

20140805_016

同画面の[スクリプト]▽をクリックし、[スクリプト操作をジョブに保存]をクリック

20140805_017

[スケジュール]>[新規作成]をクリック

20140805_018

バックアップ実行時間を設定し、[OK]をクリック

20140805_020

同様の操作を[XXX_MSCRM]に対しても実施する。

バックアップ時間は10GB程度以下であれば、ほとんどのケースで1分以内に完了する。

以上。

次回はそれぞれの復元に関して記載する。

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