実践 Dynamics 365 サービス概略(3) PowerApps/Flowの位置づけ

今回はDynamics 365リリースに伴い、新たに提供された「補助サービス」から
PowerAppsとFlowについて記載してみたいと思います。

なぜこれらのサービスが提供されたを類推しつつ、位置づけにふれてみたいと思います。

これらのサービスが登場する背景には2つの変化への対応があったと考えます。

1点目は「Salesforce1の登場」です。
※Salesforceの記述は記憶に頼っているところが多くあります。記述は必ずしも正確ではありません。
これはPowerAppsの登場に影響を与えたものであると思います。

PowerAppsはノンコーディングでUIを作成するプラットフォームです。
同様にSalesforce1も開発プラットフォームです。Dynamics 365の競合製品であるSalesforce.comのモバイル開発プラットフォームです。
2013年頃にリリースされ、モバイルのユーザービリティの向上に貢献していると思います。
特に、スマートフォンでの利用シナリオでかなり限定的シーンでの活用を推奨しています。

例えば、スマートフォンでの承認機能です。

ボタンクリックでの処理が簡易に実装できるようになりました。
また、承認すべきデータも様々な機能を持たせるのではなく、シンプルな表示を推奨しているようです。
自分の承認すべき一覧だけを表示させ、スマートフォンでのユーザービリティを向上させています。
ユーザーは迷うことなくシンプルに直感的に処理がスマートフォンで業務を行える環境を手に入れることができるようになりました。

PowerAppsはSalesforce1に対抗すべく位置づけられたサービスであると思われます。
故に実装すべきUIは複雑性があるものではなく、スマートフォンで操作可能な範囲の業務をシンプルで直感的な形で、
コーディングが不要な範囲でマクロが使えるようなITパワーユーザーの範疇において迅速に実現すべきものであると捉えています。
複雑な処理に関しては従来通り、ブラウザや高度なアプリケーションベースのリッチ画面機能を利用していくべきだと捉えています。

2点目は「クラウドサービスの浸透」です。
従来型のソフトウェアとクラウドサービスの大きな違いは、提供されるサービスの成長だと考えます。
従来のソフトウェアは買い切りの形式をとり、メーカーは販売を中心に考えます。
一方クラウドサービスは課金の形式をとり、メーカーは利用継続を中心に考えます。
長期的な利用の継続を推進するには、サービスそのものの魅力向上が不可欠です。
故にクラウドサービスにおいてはサービスの成長がより促進されます。

しかしながら、サービスの成長は容易ではありません。
1つの機能の拡張は、他の機能との不整合を引き起こす可能性を孕んでいます。
機能を追加する場合、十分なテストが必要となります。

従って、クラウドサービスの1モジュールはシンプルで小さいものになる傾向があります。
多機能を搭載する際には、より開発スピードと不具合リスクの低減するため、サービスを独立させます。

このようなサービスを業務で利用するには「使いやすいように使う」「つながるようにする」ということが求められます。

メーカーを超えてよりシンプルな機能のサービスが乱立した状況では、それぞれのメーカーが考える標準UIと
それぞれのメーカーが考えるUI拡張機能が提供されます。
「使いやすいように使う」には「共通的な操作で使う」ことと「使いやすいUIで使う」ことが必要となります。
PowerAppsはこれに対応するUI開発プラットフォームです。

メーカーを超えてよりシンプルな機能のサービスが乱立した状況では、そもそもサービス間のつながりがありません。
少なくとも自社で抱える従来型のソフトウェアやスクラッチのシステムとは、つながりが考慮されてません。
業務が高度化する一方でシンプルな機能の成長だけを期待してサービスを利用し続けるのは
変化への対応が遅れてく一方です。そこで、サービス間をつなぐ必要がより求められています。
従って、「つながるようにする」ことが必要となります。
Flowはこれに対応するデータ連携及び自動化のサービスです。

以上、サービスの位置づけについて触れてみました。
次回はPowerAppsとFlowの製品概要に触れてみたいと思います。